ロシアワールドカップ開幕戦

著者: sportipsオフィシャル


ロシアワールドカップ 開幕戦

グループA ロシア対サウジアラビア

終わってみると5対0というスコアだったが、キックオフから10分ほどはサウジアラビアが主導権を握っていた。ロシアは開催国の開幕戦のプレッシャーからか動きがぎこちなく、パスもつながらなかった。サウジアラビアはその逆にボールがよくつながり、組織的で有機的な攻撃ができつつあった。

 

このまま時間が過ぎていけば徐々に、会場に集まったロシアサポーターによるプレッシャー、さらに過去20大会で開催国が1度も初戦に負けていないという重圧からロシアにとっては厳しい展開になることも予想できた。

 

しかし、ロシアはその重圧をはねのけ、先制することに成功する。前半12分、コーナーキックからの流れの中で、MFゴロビンが左サイドから絶妙なピンポイントクロスを送る。これをMFガジンスキがヘッドでゴールに流し込み、大会初ゴールを奪った。この1点はロシアをプレッシャーから解放するのに十分な役割を果たした。

 

前半24分にはチームの中心選手であるMFジャゴエフが左太ももを痛めて途中交代を余儀なくされるというアクシデントに見舞われた。しかし、代わって試合に投入されたMFチェリシェフが前半43分、ワンタッチでディフェンダー2人をかわす絶妙なトラップから左足でゴールを決める。

後半に入ってからは前半の2得点が効いたのか、ロシアは余裕を持ってプレーをし始め、個々のパフォーマンスの質も上がっていく。対してサウジアラビアは全体的に各選手の走行距離も短く、パスミスが多くなり有効な攻め手をみつけられないまま時間が過ぎていった。サウジアラビアをはじめ中東勢は、劣勢になると途中で試合を投げてしまうという悪癖が以前から指摘されてきたが、ワールドカップの大舞台でその悪癖が顔を除きだしたのではないかと見えるほどだった。

 

後半に入って膠着しつつあった試合だったが、後半26分ロシアにとって貴重な追加点が入る。若き司令塔・MFゴロビンの右サイドからのクロスを交代出場したばかりの196センチの長身FWジュバが持ち味のヘッドでゴールに押し込み3対0とする。

 

ロシアのこの日のゴールラッシュはまだ続く。このまま3対0のまま終わるかと思われたアディショナルタイムに入った後半46分、MFチェリシェフが左足アウトサイドでゴールキーパーの頭上を抜く芸術的なゴールを決める。さらにその3分後、試合終了までラストワンプレーというところで、ここまで効果的な動きをし続けていたゴロビンが直接フリーキックを決める。

 

FIFAランク70位と今大会の出場国中最も世界ランクが低く、直近7試合で3分け4敗と前評判が決して高くなかったロシアにとって、開幕戦5対0の圧勝は最高の船出だ。5対0という結果はもとより、しっかりとブロックを作った守備、手数をかけない効率的な速攻、さらにゴール前の豊富なアイデア、高い決定力と内容も素晴らしかったロシア。加えて、チェルチェソフ監督の効果的な采配も見事に当たった。

次節以降、大観衆をバックに勢いづいたロシアが一気に上位に進出することも大いに考えられる。対してサウジアラビアにとっては後の試合に尾を引いてしまうような悪夢の敗戦となった。サウジアラビアは中5日で難敵ウクライナと対戦するが、メンタル面を含めてこの試合からの修正は非常に困難なタスクと言っていい。

 

1強のウルグアイに2番手にエジプト、さらにロシア、サウジアラビアがどのように絡んでいくかがグループAの見どころだった。しかし、この日のロシアの出来を見る限り、グループAは当初考えられていたよりも混沌とする可能性がある。ロシアを中心に番狂わせが起こる可能性が高まり、スポーツベッティングをする人にとっては俄然注目のグループになったと言えるだろう。

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